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2021年10月1日「強力打線トーシン」を目指して

第一回目のコラムを書いてから半年が経ち、二回目のコラムの順番が回ってきました。時間が経つ速さを改めて実感しています。
一回目のコラムでも紹介させていただきましたが、弊社では毎週月曜日に全体朝礼を行っています。その中で、会社の「行動指針」を全員で唱和するのですが、その行動指針のひとつに「個人のできる・できないをオールトーシンで補い合い、協力し、助け合い、大きな力にしよう」という一節があります。

先日、私の最大の趣味であります、プロ野球観戦(この日はテレビです)をしていた中で、この行動指針を思い出すきっかけになった出来事がありました。

物心ついた時からかれこれ20年ほど、かなり熱く応援しているチームがあります。
ここ数試合チームの調子が悪く、連敗が続いていた中、この試合も9回裏2点ビハインドという、「また今日もダメか」と思ってしまう状況でした。
しかし、最終回の攻撃、先頭バッターがヒットで出塁し、そこから連打でなんと同点に追いつき、1アウト満塁で打者は4番バッター、一打サヨナラという最高の展開になりました。
大変なプレッシャーがかかる中、その4番打者は見事に周囲からの期待に応え、外野フライを打ち、タッチアップから3塁ランナーが生還しサヨナラ勝ちをおさめたという劇的な試合でした。

試合後のヒーローインタビューにはもちろんその4番バッターが呼ばれ、インタビュアーからの「ナイスバッティングでしたね!」に対し彼はこう答えたのです。
「自分がランナーであればスタートを切れていなかった。彼(3塁ランナーのチームメイト)が僕をヒーローにしてくれました。」
確かに、かなり浅めの外野フライであり、打った瞬間3塁ランナーが生還できる、点が入ることを確信できるような当たりではなかったのです。かなり足の速いランナーでなければセーフになることは難しかったと思います。その4番バッターは決して足が速いほうではないので、自分なら無理だったと答えたのです。

このやり取りを見ていて、「補い合うってこういうことだな」と思いました。

相手チームの最終回のピッチャーは、抑えを任されている“守護神”が出てきており、解説者によると、決して調子が悪い、球が走っていないわけではなかったようです。その4番バッターでなければ、外野フライはおろかバットに当てることさえできていなかったかもしれません。まさに、選手それぞれが自分の「できる」でお互いの「できない」を補い合い、それを大きな力とし、結果チームとして勝利を手にしたのです。この3塁ランナーというのが、他球団を戦力外になり、育成選手として入団、支配下登録をされてからも2軍生活を長く送っており、なんとちょうどこの日に初めて1軍登録された、苦労人であったという点も、感慨深いところでした。

野球においては、よく「打線の繋がり」が大事だと言われます。ホームランバッターを9人並べるより、パンチ力はなくても足が速く小技がきく選手、状況判断に長けていて場面に応じたチームバッティングができる選手、そこに長打が打てる選手、というような、個々の特徴を活かすことのできるバランスの良い構成は、それが1人1人の点ではなく繋がった線となり相手にとって脅威となるのです。
弊社では今、「多能工の育成」に力が入れられており、積極的なジョブローテーションが進められています。長年勤めておられる先輩方が、ここにきて初めての仕事に挑戦されていたりする姿には、本当に奮起させられます。個人の“できる”を増やし、その質を高め、まさに「強力打線」となってどんな困難な状況にも打ち勝っていけるチームを目指し、また自分自身もその一翼を担えるよう、これからも頑張っていきたいと思います。

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