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2022年7月4日PE素材製品の失敗から成功への加工事例

PE素材製品の失敗から成功への加工事例

「試作品」は特性上、企業様の〝機密事項″となり、なかなか ご紹介できないのですが、
この度、お客様より「少しならOK」という許可を頂けましたので、実例をもとに〝失敗から成功″への例をご紹介させて頂きます。

打ち合わせで頂いたお問い合わせ内容です。
■概要:容器に指紋が付きにくい塗装をしたい。
■用途:某〇〇一流メーカーの化粧品容器
■素材:ポリエチレン

右の写真がお客様より、支給頂いた生地です。(全部はお見せできません)

お客様との打ち合わせ内容を基に、製造現場とも打ち合わせを行いました。
■機能性:指紋が付きにくい仕上がり感については塗料メーカーに確認し耐指紋塗料を調達。
■懸念点:ポリエチレン素材には着色加工の事例がなかった為、密着がいけるか確認が必要。
     また、耐指紋塗料との相性も確認が必要。
■仕 様:アンダー工程、トップ(着色)

やはり最大の敵は「密着」性能なので、始まる前からドキドキ、ハラハラ!
材料調達後、試作トライを行いました。
その結果、ボロット剥がれが発生し、密着NG!(一個目の塗装中から剥離が発生)⇒ガーン❕頭が痛い❕どえらいこっちゃ、
急ぎ専門家集団に投げて、製造部とも打ち合わせをしました。
考えられる原因としては、着色が難しい生地の特性であったり、塗料とも相性であったりと
数か所の理由が挙げられました。

対策としては:
①表面改質工程を追加(トーシンの特許技術)して、密着強化(仕様:表面改質、アンダー工程、トップ)
②アンダー工程の塗料を変更(企業秘密なので、公開できません)

後日、対策品のトライを行いました。
出来上がった製品に、ドキドキしながら密着試験を行った結果、密着OK!!!よっしゃー!

剥がれるとこうなる。

剥がれなかったらこうなる。

まとめ
試作品製作は、お客様のイメージをカタチにしますが、必ずしもイメージと合致する結果が出ないこともございます。
トーシンでは新しい課題や問題に直面した時、諦めずエンジニア集団に投げ掛けることで、必ず出来る方法がかえってくるのでいつもお客様とのつなぎ役でしかない私たちにとって、頼もしい集団です。

これからも、サイズ感的に物理的の出来ないものを除き、トライ&エラーの先に成功というプロセスの新境地を開いてくれていく事でしょう。

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