コラム
2024年10月28日理想の丸を描き続けること
社長のあやっちです。
10月も終盤になりました。先日、社員のOさんがアトラス彗星の話をしてくれました。この彗星は約8万年の周期で太陽を周回しており、次に地球に接近するのも同じく約8万年後とのこと。「せっかくの機会だから見れたらラッキー」という気持ちで友人と週末観測に出かけましたが、残念ながら天候が悪く、彗星を見ることはできませんでした。それでも、広い空を見上げながら過ごしたひと時は、宇宙の広大さを感じる特別な時間となりました。
さて、今回は、以前のコラムで、山登りの際の挨拶について書きましたが、「挨拶」から得た気づきについて書かせて頂きます。
気候も涼しくなり、ランニングをする人も増えてきました。すれ違う人に挨拶をしたいと思うものの、皆さん一生懸命に走られているので、何となく声をかけづらいと感じることが多く、小さな声で「おはようございます」と挨拶をするのですが、自分としても小さな声でというのが何か違和感を覚えながら走っておりました。山登りでは自然と交わされる挨拶も、街中やランニング中では少し勝手が違うようです。
そんなある日、ジョギングの途中に立ち寄る神社でおばあさんとすれ違ったとき、「おはようございます」と挨拶をしてみたら、おばあさんがとびきりの笑顔で「おはよう」「よく頑張っているね」と声をかけてくれました。その瞬間、気持ちがぐんと明るくなり、挨拶が持つ力の大きさを改めて実感しました。
その時、ふと今年度の第一四半期の発表会で話をした「丸」の話を思い出しました。理想の「丸」とは、自分と相手が互いに作り上げるもので、自分の理想の形に近づくよう努力しても、相手がその理想に合わせてくれるとは限りません。そうすると「なんで自分だけが頑張っているんだろう」と感じ、ついモチベーションが下がり、理想をあきらめてしまいがちです。しかし、本当に理想の丸を描きたいのなら、相手がどうであろうと、自分が理想とする丸を諦めずに描き続けるしかなく「この人はしない」「私ばかり」と考えてしまうと、いつまでたっても理想にはたどり着けないという話をしました。おばあさんのとの挨拶を通じて、理想の丸を描くには自分から率先して「元気よく」「笑顔で」「明るく」挨拶し続けることが大切だと改めて感じました。
それ以来、ランニング中は相手が返してくれるかどうかに関わらず、自分が理想とする「元気よく」「笑顔で」「明るく」挨拶をすることを心がけるようになりました。すると、ランニング中に見知らぬおじさんから「○○さん知ってる?あの人も奈良マラソンに出るよ」と声をかけてもらったり、散歩中のおばあさんから「よく頑張っているね」と励ましをもらったりする機会が増え、ランニング中の人も小さく挨拶を返してくれることが増えてきました。そして何よりも心に残ったのは、通学途中の高校生の男の子が「頑張ってくださいね!」と大きな声で声をかけてくれたときは思わず「ありがとう!!」とこちらも大きな声で返し、嬉しさと感動で涙がこぼれました。
こちらから挨拶をすることで、相手も完璧な「丸」ではなくても、何かしらの形で返してくれることがあります。そう考えると、挨拶に限らず、自分の理想を諦めずに描き続けることの大切さを再確認しました。理想の「丸」を描き続けること、これこそが人生の様々な場面で豊かさをもたらしてくれる。そう気づかせてくれた出来事でした。